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2035年には水素エンジン車の販売が20万台を突破

Commercial Vehicles

4 September 2023

Jamie Fox

ジェイミー・フォックス(Jamie Fox)

主席アナリスト

ジェイミーは、電気自動車を含む商用車用コンポーネントのマーケット・インテリジェンスにおいて、15年以上の経験を有しています。彼は物理学と天文学で理学士号、ナノスケール科学技術で理学修士号を取得しました。ジェイミーはチリを拠点にしています。

Interact Analysis によって発表された最新の調査によると、水素内燃機関(H2 ICE)は2035年には22万台販売されると予測されます。この市場は現在発展段階にあり、トラックや掘削機、ローダー、農業機械などのオフロード機械分野における出荷のほとんどは、2030年以降になります。

しかし、ほとんどのアプリケーションにおいて困難な条件があるため、出荷台数は車両販売台数のごく少数になるでしょう。H2 ICEはディーゼルやバッテリー式電気自動車のレベルには決して到達しないと予測され、ニッチ市場として確立するでしょう。

H2 ICE車両には注目に値すべき利点があります。エンジン技術はディーゼルエンジンとかなり似ており、既存の知識、デザイン、生産車両を使用することができます。これらの車両は、高出力を提供し、不純燃料で動き、汚れやほこりの多い状況で作業し、そして迅速に燃料補給をすることができます。

一方、世界のほぼすべての場所に水素インフラが整備されておらず、また現段階では技術に対する認識が不足しており、開発が限られています。最も重要なことに、現在の水素燃料のコストは高く、これらの車両が競争力を持つようになる前に、コストの大幅な削減が必要になります。現在の半分のコストでさえ、H2 ICE 車両は総所有コストに優れていません。エンジンのコストはそれほど大きくはありませんが、タンクのコストが車両のコストに大きく影響し、またインフラや何よりも水素燃料があります。

ほぼすべてのケースにおいて、ディーゼルまたはBEVはH2 ICEより安価になります(多くの場合、両方)。それでは、水素エンジンはどうなるのでしょうか?まず、新しい技術の初期の販売は必ずしも厳密な実用性の理由によるものではなく、潜在的な顧客の少数は、新しい技術を最初に紹介するために総所有コスト(TCO)を無視することをためらいません。

次に、H2 ICEは環境・法律上の理由からディーゼルからの脱却を目指すものの、BEVsでは対応が難しい領域で仕事をする企業をターゲットとしています。バッテリーやBEV車両のベンダーが既存の需要に追いつくのにすでに苦労していることを考えると、大型オフロード車両において10台または100台の車両を売るためにBEV用にマシンを再設計することは、なかなか実現しないでしょう。H2 ICEは、多くの異なるタイプのオフハイウェイ車両を再設計するためのよりシンプルな方法を提供します。また大型車両では、バッテリーの重さが課題として挙げられることもあります。恐らくさらに重要な点として、いくつかのオフハイウェイ車両は一日に10時間まはた15時間稼働します。BEV車両ではバッテリー切れになってしまうため、これは根本的に困難です。

しかしながらInteract Analysisは、H2においてトラックでの出荷が多くなると予測しています。これは単に、トラックの有効市場が非常に大きく、例え小さなシェアでも、車両のかなりのシェアになるからです。2022年9月には、水素ICEトラックに関するプロジェクトが発表されました。プロジェクトはHyCET(Hydrogen Combustion Engine Trucks)と呼ばれ、Deutz、Volvo Trucks、DHL Freight、TotalEnergies、そしてKeyou GmbHと共に、BMWグループが主導します。このプロジェクトでは、Deutz社のエンジンを搭載した18トントラックを開発する計画です。このプロジェクトは、ドイツ連邦デジタル・交通省(BMDV)からの資金を利用します。

しかし、H2 ICE車両は少なくとも理論上では最終的にゼロカーボンが可能になる一方、NOXの排出は依然として残ります。NOX排出量はディーゼルよりは低いと期待され、多くの人々はこれに取り組んでいますが、ゼロまで削減することはできません。これを合理的なトレードオフだと言う人もいるかもしれませんが、カリフォルニアやEUなどの地域の議員にとって、それで十分なのかどうかという疑問も残ります。

車両の出荷 (H2 ICE)

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